【バール】
今日はまた一段と寒くなりましたね。
こんな日は仕事前に1杯の温かいコーヒーが欲しくなります。
イタリアの冬もとても寒いですよ。
特に石畳の所は足元から冷えてくるので朝のバールは大忙しです。
エスプレッソが立ち飲みで30円くらい!
席に着くと値段が5倍~10倍に跳ね上がるのでみんな立ち飲みです。
エスプレッソの小さいカップにこれでもかという位の砂糖を入れ、飲み終わったカップの底に溜まっているドロドロの砂糖をスプーンですくって食べるのがイタリア流。
イタリア人の甘いもの好きは、日本人には理解しがたいものが有ります。
さてここで問題です。
バールでコーヒーを入れる人の事をなんと呼ぶか知っていますか?
正解は「バリスタ」!
と、思っている方も多いと思います。
CMでもやっていましたからね。
今はこれで通じますが、年配の方はこの言葉をとても嫌います。
「バリスタ」とは「とても上手にコーヒーを入れる人」という様な意味ですが、元々は「コーヒーをいれるしか能が無い奴」という差別用語。
日本で言うところの「野球バカ」・「空手バカ」の様な意味合いになります。
もし、あなたがイタリアのバールで年配の方に「バリスタ」という言葉を使ったら白い目で見られるか、 運が悪ければロケットパンチが飛んでくるかもしれません。
正しくは「バールマン」
では美味しいコーヒーで体を暖めて今日も一日頑張りましょう!
【カクテルパーティー効果】
隣の人の声も聞き取れ無いほど賑わっているパーティー会場。
こんな場所でも自分の名前だけは聞こえてしまうのがカクテルパーティー効果。
遠くの方で小さな声で自分の名前が囁かれると、会話は分からなくても自分の名前だけは聞こえてしまう。
私の姉が最近このカクテルパーティー効果を経験しました。
世界をまたにかけて活躍する彼女の現在の居住地はイギリスのレスター。
この街に住み始めてもう10年位になりますが、まだ日本人に会った事はないそうです。
普段は静かなこの街に今年は大事件が起こりました。
イギリスのレスターと言えばサッカー好きの方はピンとくるでしょう。
あの日本代表・岡崎選手が見事プレミアリーグ優勝を果たしたチームが有る街です。
現地での岡崎選手の人気は凄まじく、名前入りのユニフォームは常に売り切れ。
10年住んでいる姉でさえ岡崎選手のネーム入りユニフォームが手に入らないほどです。
リーグ優勝を果たした時の街の熱気は想像を絶するほどで、この街にこんなに人がいたのか?というくらいの大賑わい。
優勝パレードの写真を見せてもらいましたが、原宿の竹下通りに満員電車をぶち込んだ様な感じ。(わかりづらいか・・・)
街の英雄を一目見ようと沿道は見渡す限り人、人、人・・・
人の頭しか見えません。( ゚Д゚)
もちろん姉もパレードを見に行きましたが、人だかりの後ろから何とかパレードの車が見えるくらい。
そこへ岡崎選手の乗った車が登場!
岡崎選手は姉に背を向ける格好で反対側の人達に手を振っています。
「おかざきーー! おめでとーーーー!」
日本語で叫ぶ姉の声はサポーター達の歓喜の悲鳴や叫び声にかき消され岡崎選手に届く筈もなく・・・
と、思った時・・・
背を向けていた岡崎選手がビックリした顔でこちらを振り返り、日本語で叫んでいる女性を捜し始めたのです。( ゚Д゚)
必死で手を振る姉・・・
「おかざきーーー!おかざきーーー!おめでとーーーーー!」
岡崎選手がついに沿道の最後尾にいる姉を発見しました。
彼は姉に手を向けると日本語で「ありがとーー!」と満面の笑みで手を振ってくれたそうです。
日本人が居るはず無いと思っている街で突然聞こえた日本語の声援。
岡崎選手も相当驚いたようです。
岡崎選手・・優勝おめでとうございます。
まさかこのブログをご覧になっているとは思いませんが、優勝パレードの時「おかざき、おめでとう!」を絶叫していた謎の日本人・・・
彼女は私の姉です。(^^)/
【カルボナーラの頼み方】
フィレンツェの大聖堂からアルノー河に向かって歩くと、ポンテヴェッキオという名の古い橋が有ります。
川沿いの一本手前の道を右に曲がって10分ほど歩いた所に有るアルマンドという美味しいトラットリア。
このお店のレバーペーストとカルボナーラは絶品で、地元の人はこの2品を必ずオーダーします。
私もこのカルボナーラが大好きで、ここで教わった作り方で今も作っています。
ところでカルボナーラの事を略してカルボと言う事って有りますよね。
有りますね・・・
有ると言ってください・・・
これはイタリアでは厳禁です。
イタリア語でカルボは別の意味になります。
【カルボ】・・・・
【ハゲ頭】 (*ノωノ)
オーダーを取りに来たカメリエーレが頭髪を気にしている人だったら・・・
イタリアで注文する時は必ず【カルボナーラ】とフルネームでお願いします。
タトゥー
30年近く前、ナポリで初めて飛び込んだピッツェリア・・solo pizza。
その店にはパウロという名のピッツァイオーロがいました。
彼はピッツァイオーロというよりはプロレスラーといったマッチョな男で、スキンヘッドの頭から始まり全身にタトゥーが入っていました。
分かりやすく言うとボブ・サップが全身にタトゥーを入れた感じ。
マルゲリータを食べている私をじーっと見つめるパウロ。
(こ、怖い~)
ピザ場から出てきて真っ直ぐ私に向かってくるパウロ。
(こ、殺される・・)
「お前は日本人か?」
「ああ、そうだ」
「そうか!俺は日本が大好きだ。この前も店に来た日本人に教わって日本語のタトゥーを入れたんだ。お前、見たいか?」
「見る見る!見せてくれっ!」
彼はニヤリと笑って得意そうにTシャツをまくり上げた。
そこで私が見たものは・・
仮面ライダーの様に見事に割れた腹筋の真ん中に・・・
ぱうろ (/・ω・)/
ひらがなで・・ ぱうろ (/・ω・)/
私は笑いをかみ殺しながら、
(オイオイ、ひらがなかよっ)
と、心の中でつっこむのが精一杯でした。
パウロ元気かなぁ~
【ダルマさんがころんだ】
ダルマさんがころんだ
ぼんさんが屁をこいた
ひい、ふう、みい・・・
数字の数えかたって色々有りますね。
実はイタリアにも【ダルマさんがころんだ】の様な数え方が有るんです。
普通は ウノ・ドゥエ・トレ・クワットロ・チンクエ・セイ・セッテ・オット・ノーベェ・ディエチこれで1~10。
南イタリアの【ダルマさんがころんだ】は・・・
ミミ・ココ・カカ・カ・カム・カッ・ツォ・キッ・キリ・キ
ちなみに6と7をつなげて
カッツォと発音すると男性のオ〇ン〇ン。
8~10をつなげてキッキリキと言うと鶏の意味になります。
女性の方は特に6と7を続けて言わない様に気を付けましょう。
【日本人なんですが・・】
初めてイタリアのナポリに行った時の事。
この町はサンタルチア港をはじめ大変景観の美しい所で 【ナポリを見てから死ね】という言葉が有るくらいです。
ところが私が行った当時この町は大変荒れていて【ナポリを見たら死ぬ】と言われていたのです。
当時、日本人の「ナポリ半日ツアー」などは町の中でバスから降ろしてもらえず、車の中から見学するだけでした。
この町に一人で降り立った私・・・。
ー初日ー
私は髪も眉毛も金髪に染め、髭も1ケ月ほど伸ばし放題にしていました。
ボロボロのジーンズをはき裸足にスニーカー。
白のTシャツはトマトソースで汚し、もちろん顔にはサングラス。
腕時計も外し、財布もカメラも持ちません。
(これで日本人には見えないだろう…)
おそるおそる町に出た私を待っていたのは・・・
アメリカ人とフランス人の質問ラッシュ!
観光客達は私に地図を見せながら次々に道を聞いてくるのです。
オィオィ分からねーって ( ゚Д゚)
これで図に乗った私は日が沈んで暗くなっても裏路地をウロウロしていました。
日もすっかり暮れ、人気の全く無い狭い路地に入った時です。
正面からいかにもヤバそうなイタリア人が歩いて来ました。
(ヤ、ヤバイ・・・)
彼は真っ直ぐ私に向かってくるとピタリと寄り添い、イタリア語で何やら話しかけてきました。
ひどいスラングで何を言ってるのか分からなかったのと、怖かったので無視して足早にその場を立ち去る私。
彼は私の背中に向かってずっと同じ言葉を言い続けていました。
あとで知ったその言葉の意味とは・・・
【なぁ、クスリ持ってたら分けてくんねえか?】
だから・・・
俺は日本人だって (-_-;)
【世界新記録】
サーフィンやってますか?
えっ やった事ない!? ( ゚Д゚)
水の上に立つ浮遊感覚、楽しいですよ~
今回は私のサーフィンの師匠のお話。
彼はサーフボード片手にBig Waveを求めて世界中をサーフトリップするサーフィンの達人。
南米のコスタリカに有るサーフポイントでの事。
そこはジャングルの中にいくつかバンガローが有り、道なき道を歩いていくと突然海が現れるサーファー憧れのポイント。
彼は現地で知り合った日本人、アメリカ人と3人でバンガローをシェアし連日サーフィンを楽しんでいました。
夕方海から戻ると村まで食料や日用品の買い出しに出かけます。
村へ行くには大きな川を渡らなければいけないのですが、橋はずっと下流にあり遠回り。
そこで彼らはサーフボードを持っていきパドルで川を渡っていたのです。
注)パドルとはボードに腹ばいになって手で漕いで進むこと
ある日いつもの様に川を渡ると岸辺に現地の村人が集まって大騒ぎ。
「お前らいつもそうやってこの川を渡ってるのか?」
「そうだけど・・・」
「この川には人食いワニがいるんだぞ!さっきも村の女の子が襲われたんだ!」
えっ! 人食いワニ!?・・・ ( ゚Д゚)
でも渡ってしまったものは仕方有りません。
とりあえず買い出しに行って、川まで戻って来た時にはもう日が沈む寸前。
これから橋まで行くと完全な闇の中を歩くことになります。
道に迷うかもしれないし、毒蛇がいるかもしれない。
川には人食いワニがいるけど、今まで平気だった。
あなたならどうしますか?
川を渡りますよね。
ところがここで大問題が発生。
アメリカ人がバーベキューをやりたいと丸鶏を買っていたのです。
丸鶏・・・
生の鶏肉・・・
ワニの大好物・・・
「お前が買ったんだから自分で持てよ!」
「NO!それはフェアじゃない!」
結果、じゃんけんで決める事にしました。
1つめの袋は洗剤、シャンプー、トイレットペーパー等
2つめの袋は水や食料の缶詰類
3つめ・・・生の鶏肉(ワニの大好物)
さあ人生をかけた大勝負!
最初はグー!
じゃんけん ぽんっ!
一発でアメリカ人の負け (*ノωノ)
「NO~~!」と頭を抱えて叫ぶアメリカ人。
私の師匠は優しい人なので
「NOじゃねーんだよ。ほらお前のチキン」
といってチキンの入った袋を首から下げてあげました。
彼は鬼の形相で川にボードを投げ込むと驚異的なスピードでパドルを始めました。
モーターボートよりも速く・・・
人食いワニがいる川を・・・
首から鶏肉をぶら下げて・・・
ギネスには認定されてませんが・・・
この時のパドルのスピードで世界新記録が樹立されました。( ゚Д゚)
※サーフィンをやってみたくなった方
私も通っている湘南の【T-Stick】がお勧めです。
スタッフみなさん良い人ばかり。ロケーション最高。
インストラクターの腕前も超一流!
PC版の画面左側にLINKが貼ってあります。
海で会いましょう!(^^)/
【無免ですよ】
アメリカのオクラホマ州で車の免許を取った時のお話。
他の州は分かりませんが、オクラホマ州には教習所も試験場も有りません。
免許の試験を受けるのはHP。そう、ハイウェイパトロールなのです。
まずHPに行ったら免許を取りたい事を伝えます。
すると、事務所の隅に有る機械で学科試験を受ける様言われます。
機械の前に立って画面に触れると、問題文が表示されます。
答えは四択で制限時間は有りません。
答えを選んだらnextのボタンを押します。
すると一瞬正解が出て次の問題に進むのです。
この調子で20問。
終わると機械からレシートの様な紙がプリントされます。
15問以上正解で学科試験は合格。
問題自体は簡単なのですが全部英語ですから・・・
学科を合格するとすぐに走行試験。
ポリスと二人で車に乗り込むと、いきなり町の中を走り始めるのです!
「真っ直ぐ行って。そこ右に曲がって」
言われるままに運転する私。
その時、ポリスの口から信じられない言葉が・・・
「じゃあ、その車の横に停めて。そしたら後ろの車に気を付けてバックで入れてみようか」
えっ、人の車で縦列 ( ゚Д゚)
なんとか成功したもののこれにはビックリです。
ぶつけたらどうするんでしょう!?
走行試験はわずか10分足らず。
合格すると証明書が発行されます。
これを町の免許発行所に出すと、写真を撮ってすぐに免許が発行されます。
この時発行代金が6$かかりますが、 学科も走行試験も何回受け直してもタダ。
でも、一番驚いた事は・・・
HPには試験用の車が有りません。
だから・・・
試験に使う車は各自持ち込みなんです。
(-_-;)
【空手家への道】
アメリカの大学へ進学した私。
現地で最初に出来た友達、スペイン人のフェルナンデスと割り勘で車を買う事にしました。
アメリカの広大な土地では車が不可欠なのです。
予算は1000$。
早速二人で中古車屋巡りを始めたのですが、良い車はだいたい2000$以上します。
3日目の夕方、町はずれのちっぽけな中古車屋で一台のシトロエンを見つけました。
値段は1400$。
人の良さそうな親父相手に早速値切り交渉です。
しつこく値切った末1200$までは下がりましたが、親父もそこからは一歩も退かない構え。
私達が渋っていると親父がこんな事を言ったのです。
「お前は日本人だな。空手は出来るのか?」
「もちろんさっ!こいつは日本の空手チャンピオンだ。ブラックベルトだぜ」と、答えたのはもちろん私では有りません。
「そうか!なら、こうしよう。日曜日に家の息子達に空手を教えてくれ。そのコーチ料としてこの車を1000$で売ってやるよ」
「オッケー!しかし、あんたもラッキーだな。こいつは日本では有名な空手家だからな」
ボケっとつっ立っている私の横で、二人はガッチリ握手を交していました…
帰り道・・・
「どーすんだよ。俺、空手なんかやった事ないぞ」
「えっ、日本人のくせに?」
この頃アメリカでは空前の空手ブーム。
日本人=忍者の子孫=空手の達人
という、謎の公式がまかり通っていたのです。
こうして私はやった事も無い空手のコーチをするハメになったのです。
仕方が無いので、日本から空手の胴着を送って貰いました。
(子供の分もね)
ー次の日曜日ー
「さあ、行こうぜっ」とノリノリのフェルナンデス。
彼は右手に大きなバッグを持っています。
「お前、何持ってきたの?」
「ん、これか?空手の道具だよ」
(へぇ、こいつもやる気あるじゃん) 私は彼をちょっと見直して車をスタートしました。
中古車屋の親父の家に着くと、出迎えてくれたのは五才と三才の子供達。
空手の胴着を着せてあげると大ハシャギ。
(これなら遊びみたいなもんだな・・・)
ほっと一息付いた時・・
「みんな注目!今から先生がお手本を見せま~す。」
(お手本って…?)
怪訝そうにしている私を無視して、彼がバッグから取り出したのは大きな丸い石( ゚Д゚)
目を輝かせて私を見るアメリカンファミリー。
その後ろでニヤニヤしているフェルナンデス・・・
(やりゃあいいんでしょうが、やりゃあ…どうなっても知らねーからな)
やけになった私は見よう見まねで呼吸を整えると、おもいっきり拳を振り卸ろしたのです。
とおりゃ~~~!
《ゴツン》
(>_<)(>_<)(>_<)(>_<)(>_<)
( ゚Д゚) 痛ってーーーー!
バッカじゃねーの 痛ってーーー!
(だから空手なんかやった事ないって言っただろーが!フェルナンデスの野郎!)
嘘をついた事を謝ろうとファミリーの方を振り返った私に飛びついてくるキッズ達。パパとママはスタンディングオベーション
(俺の勇気とチャレンジ精神を褒めてくれているのか・・・)
と思ってふと足元を見ると・・・
この時私に神が降臨したようです。
30cm位有る大きな石が綺麗に真っ二つに割れていました。( ゚Д゚)
【押忍!】
この1件で拳にヒビが入り全治3週間。
キャンパスの食堂でフェルナンデスにご飯を食べさせて貰う私。
(あいつら付き合ってるな・・・)
そんな噂がキャンパス中に広まった事は言うまでも有りません。
皆さん・・ 値切りはほどほどに・・・
買い物は定価がお勧めです(-。-)y-゜゜゜
【セレブ】
ギリシャのエーゲ海クルーズで現地添乗員をしていた私の姉。
この船にはどんなお客様にも対応出来るように、各国の添乗員が揃っていました。
シーズンオフになると「今年は私の家に来てよ。オランダは良い所よ。」
「来年は家においで。フランスは美味しいものがいっぱいあるよ」
とお誘いの嵐。
毎年違う国で3カ月ほど過ごし、また船に戻るという夢のような生活。
日本とは違い、どの家に行っても庭にプールが有ったり、テニスコートが有ったり・・・
なかでも桁違いに凄かったのはイタリア・ミラノ出身のカテリーナ嬢の家。
彼女の父親は開業医の歯医者さん。
と言っても一般の人は診療しません。
彼が診るのはACミランの選手と関係者、ミラノファッションでお馴染みのスーパーモデルだけというセレブ御用達の歯医者なのです。
今は本田圭祐選手の歯も診ているのでしょうか。
空港に迎えに来たリムジンに乗ってカテリーナの家まで1時間のドライブ。
門の横には警備員の詰め所が有り、敷地の周りはえんえんフェンスで囲まれています。
(国境か!)
国境を越えて敷地に入ったリムジンはまだ走ります。
走ります・・
まだ走ります・・・
10分ほど走ると絵本の中にしか存在しない筈のお城が現れるのです。
お城の横にはお姫様が捕らわれているであろう塔がそびえたっています。
中に入ると正面にはシンデレラがガラスの靴を落としただだっぴろい階段が。
気を取り直した姉が「カテリーナの部屋はどこ?」
と尋ねると「私の家はもっと向こうよ。車で10分くらいかな」
私の家・・? 部屋じゃなくて・・?
カテリーナには2人の兄がいて3人兄弟、広大な敷地の中に1人1軒づづ家が有るのです。 ( ゚Д゚)
ちなみにカテリーナの家には友人が遊びに来た時のために、ベッドルームが8つ有ります。
カテリーナの両親と談笑する姉。
「そう言えば家の隣に塔が有ったけど登れるんですか?」
「ああ登れるさ。行ってみるかい?」
塔の上の窓からは壮大な景色が見えるのですが、気になったのはフェンスがえんえん続いている事。
「ねぇどこまでがカテリーナの家?」
「見える所までよ」
・・・そ、そーですか( ゚Д゚)
敷地の中では牛や豚も放し飼いにされており、のんびりと散歩しています。
姉が冗談で「わぁー美味しそうな子豚ちゃんねー」と言うと、
「よし!今夜の食事は決まったな」と言って壁にかかった猟銃を取り出すカテリーナの父。
窓から半身を乗り出し、銃口を子豚に向けます。
「面白いジョークですね」と姉が言おうとした次の瞬間・・・
【バァーーーーーン!】
( ゚Д゚)えっ、えー弾入ってたんですかーー
ブヒっと倒れる子豚ちゃん。
この日の夕食に丸ごと子豚のローストが出てきた事は言うまでもありません。
このクルーズ船の添乗員たちは日本に大変興味を持っていて、次のシーズンオフは日本に行きたい!と皆口を揃えて言っています。
「うちは狭いから無理!」と断る姉に
「大丈夫。狭いのは慣れてるから」
「うちも狭いよ。だから平気さ」とのたまうセレブ達。
狭いのに慣れてる・・・?
うちも狭い・・・ だと?
ではお聞きしますがね・・・
ワンルームって知ってます?
4畳半ってどれくらいの広さだと思います・・・(-。-)y-゜゜゜
【カプリ島の秘密】
モッツァレラ・トマト・バジルを並べ塩を振ってオリーブオイルを回しかける。
はい、これで《カプレーゼ》の出来上がり!
イタリアンでお馴染の前菜ですね。
カプレーゼとはカプリ島風という意味です。
かの有名な“青の洞窟”が有る島ですね。
実は、このカプリ島で作られるモッツァレラには秘密が有ります。
モッツァレラをナイフで切って見ると・・
中にはフレッシュのトマトとバジルが入っているのです。
このカプリ島のモッツァレラに感動した料理人が、カプレーゼを広めたと言われています。
このモッツァレラの製法はカプリ島の職人しか知りません。
そして、一般にはほとんど出回らないのです。
なぜか・・・
カプリ島は港以外は切り立った断崖絶壁の島です。
港から急な坂道を登って行くと中腹辺りにお店が立ち並び、更にその先まで登っていくと有る事に気が付きます。
この道は頂上までは通じていないのです。
登れるのは八号目くらい迄でしょうか。
ここで道路は行き止まり。
道の両側は高いフェンスで仕切られていて、入る事が出来ません。
今は分かりませんが、私が行った当時・・・
道路の無い頂上部分は個人の別荘。
オーナーはジバンシーの会長・・・( ゚Д゚)
でも道が無いのに、どうやって別荘に行くんだろう・・・
そうです。彼は大勢のモデルやデザイナーを引き連れ、自家用ヘリでやってくるのです。
会長の大好物は例のカプレーゼ。
いつ会長が現れてもいいように専属コックが出来立てのカプレーゼを連日買い占めてしまうのです。
会長さん、この事は秘密にしとくから・・・
私もパーティーに呼んでください。
(*´▽`*)
【所変われば】
日本で見かける外国人の赤ちゃん。
クリっとした青い目と高い鼻。
お人形さんの様に可愛いですよね。
人は自分に無いものを求めるのでしょう。
イタリアでは日本人の赤ちゃんが大人気です。
どこへ行っても「可愛い!可愛い!」と人だかりが出来るほど。
そんなに日本の赤ちゃんは可愛いですか?
イタリアの女性は口を揃えてこう言います。
「もちろんよ!鼻がぺちゃーっとしてて最高にキュートじゃない!」
・・・だそうです。 (´・ω・`)
【エスプレッソでも飲みますか】
イタリア旅行に行かれる方は旅行会社のツアーを利用される事が多いと思います。
自由時間が有ったら観光名所からちょっと歩いて、地元の方しか来ないようなお店に行ってみると面白いですよ。
例えばシチリアのバール。
バールのカウンターには水の入った水槽が有って、レモンが1個浮いています。
お客さんはお店に入ってくるとポケットから500リラ硬貨を出して、真剣な顔でレモンの上にそーっと置くのです。
レモンはくるりと回って硬貨は水槽の中へ・・・
水槽の中には落ちた500リラ硬貨がいっぱい。
もし硬貨が落ちなかったら水槽の中の硬貨は全部あなたの物!( ゚Д゚)
しかし、これはやってみると分かりますが必ず落ちます。
その様子を見ていたバールマンが「残念だったな。これでも飲めよ」と言ってエスプレッソを出してくれるのです。
お分かりですか?
これがシチリア流のエスプレッソの頼み方です。
しゃれてますよね。(*‘∀‘)
美味しいエスプレッソを飲みながらバールマンと会話を楽しんだお客さんは「じゃあまたな。明日こそ、その硬貨を俺の物にしてやる」とニヤリ。
こうして毎日エスプレッソを飲みに来るのです。
水槽の中に硬貨が溜まってくるとバールマンが手を突っ込んで取り出し、そのまま自分のポケットに。
観光地を少し外れるとこんな経験が出来ます。
バールでこんな水槽を見かけたら、何も言わずレモンに硬貨を乗せて見ましょう。
イタリア人もビックリです。(*´▽`*)
【就職祝い】
ブルガリ、グッチ、プラダ、マックスマーラ、フェラガモ・・・
イタリアには高級ブランドがいっぱい。
イタリア人は本当におしゃれです。
街行く人のファッションと歴史有る街並みのコラボは本当に絵になりますね。
とてもおしゃれなイタリア人ですが高級ブランドで身を固めている人は殆ど見ません。
日本では高校生や大学生でも財布やキーケースなど、一つくらいはブランド物を持っている人も多いでしょう。
しかし、本場イタリアでは学生でブランド物を持っている人はまずいません。
イタリアの女性はいかに安くて素敵な物を手に入れるかに情熱の全てをかけます。
シーズンオフのバーゲンでは驚愕の値札が付く事が有るからです。
私がイタリアで買った本革のデッキシューズ。
とても柔らかく履き心地の良い靴で、色は濃いブルー。
日本ではまず見ない色。
一目で気に入りました。
最後の1足だったのですが履いてみるとサイズがピッタリ。
即買いです。
この靴は通常2万円ほどするのですが最後の1足だったので・・
【500円!】 ( ゚Д゚)
良く聞かれるイタリアでの会話・・
「素敵な靴ですね」
「これバーゲンで500円で手に入れたんですよ」
服やアクセサリーの高価さを自慢する人はいませんが、こんな素敵な物をこんなに安く手に入れた事は自慢になります。
それからもうひとつ。
ファッションは自分をより美しく見せるためにするものです。
服や腕時計が自分より目立っていては逆にマイナス。
何か買おうと思った時に(これは自分を引き立ててくれるものなのか?)と考えてから買うかどうか決めるのです。
このバッグ可愛いから欲しい!ではないのです。
このバッグを持つことによって、より自分が美しく見えるかが大事。
あくまで主役は自分。
だからイタリアの学生はブランド物など絶対に持たないのです。
そんな学生達の一世一代の買い物イベント。
それは・・
【就職祝い】
北イタリアの風習ですが、就職が決まった女性は両親と買い物に出かけます。
今まで入った事が無い高級ブランドショップを巡るのです。
納得のいく物が見つかるまで来る日も来る日も何件もショップを回ります。
両親からプレゼントされる2つの物・・
【毛皮のコート】と【高級バッグ】
この思い出のコートとバッグは大切に大切に一生使います。
バッグは壊れたら買ったショップで修理してもらい、体型が変わったら毛皮のコートも直しながら一生着るのです。
20才で買ったコートを70才になっても大切に着ています。
これだけ長く付き合えるのは高級ブランドならでは。
これだけ着れば逆に安いとも言えますね。
大切に使っていると長年かけて体にどんどん馴染んできます。
だからイタリアの女性は服に着られる事が有りません。
着こなすとはこういう事かなと思います。
ちなみに私はブランド品をひとつも持っていません。
今の私では何を持ってもブランドに負けてしまうから・・ (;´・ω・)
来年の抱負・・
【ちゃんとした大人になる】(・。・;
【ミートソースとナポリタン】
まだ日本にイタリア料理のお店が無かった頃、スパゲティと言えばミートソースとナポリタン。
ナポリタンはイタリアには有りませんが、これはこれで美味しいですね。
無性に食べたくなる時が有ります。
ちなみに日本に来たイタリア人がその美味しさにビックリするのは明太子スパゲティだそうです。
分かる気がします。
日本独自の料理ですが良く出来ていますね。
ではミートソースはどうでしょうか。
これはもちろんイタリアに有ります。
日本でのメニュー表記は店によって色々ですね。
ミートソース、ボロネーゼ、ラグーなど・・・
この中で注意するのはボロネーゼ。
ボロネーゼは「ボローニャ風」と「ボローニャの女性」という2つの意味が有ります。
「ミラネーゼ」という言葉は聞いた事が有りますか?
ミラノの女性の事をこう呼びますね。
これを真似して白金に住む女性をシロガネーゼなんて言ったりします。
「コトレッタ・ミラネーゼ」と言えばミラノ風カツレツ。
「リゾット・ミラネーゼ」はミラノ風リゾット。
ボロネーゼもこの使い方と同じです・・・・が
実はボロネーゼという言葉は隠語で別の意味で使われる事が多いのです。
ローマを中心とした地方で良く使われるのですが、その意味とは・・・
すみません m(__)m
余りの下品な言葉のため、ここで書く事が出来ません。
この言葉はとんでもない女性蔑視の意味で使われています。
もしここでこの言葉の意味を書いてしまったら日本中の女性から嫌われてしまいます。
お願いです。
嫌いにならないでください・・・(;´・ω・)
ローマっ子なら誰でも知っているこの言葉。
当然ローマのレストランでメニュー表記に使われる事は有りません。
全てラグーと書かれています。
もしローマのレストランで(ミートソースはどれだろう・・?)と何の気なしに
「ボロネーゼは?」
などと女性店員に言ってしまったら・・
突然強烈なビンタをくらうか、店をたたき出される筈。( ゚Д゚)
ローマでミトソースを頼む時は・・
ラグー(ragu)の文字を捜しましょう。(*´ω`)
あと3分
水の都ベネチア。
干潟に作られた人工の島は年々少しづつ沈んでいます。
いつかは海の底に沈む運命の神秘的な街。
この街には観光名所がたくさん有りますがお勧めは早朝。
朝靄に包まれた景色はこの世のものとは思えない美しさです。
まるで映画の一場面に入り込んでしまったよう。
観光で訪れたら歩くかゴンドラに乗るのがお勧めですが、実はバスもタクシーも有ります。
運河で囲まれた街には車の乗り入れが出来無いので、車ではなく船で移動します。
タクシーはモーターボート。
バスはヴァポレットと呼ばれる蒸気船。
船から見るベネチアの街並みもとても美しい。
本島を歩いて観光したら他の島にも行ってみたいのでヴァポレットに乗りましょう。
チケットは最初に使った時からカウントされ時間内なら何回でも乗り降り自由。
宝くじ売り場みたいな窓口で24時間チケットを買います。
(よし、これでいろんな島を回れるぞ・・)
歩き出した私の後ろで「ガラガラ」と音を立てて閉まるチケット売り場のシャッター。
(あれ?もう終わりか。あと3分遅かったら買えなかった・・ 先に買っといて良かった~)
と、自分の段取りの良さに機嫌が良くなる私。
何か変だな・・ 街が騒がしい・・・
さっきまでと様子が全然違う・・・
街行く人は皆慌てた様子で携帯電話で話しています。
「何かあったの?」
通りすがりのイタリア人に聞くと・・
「バスがストライキしやがった!24時間ストだとさ。困ったもんだぜ!」
えっ・・ 24時間スト ( ゚Д゚)
私の右手には買ったばかりの24時間チケット・・
あと3分遅かったら・・(´・ω・`)
イタリアではこんな事が平気で起こります。
そんな事もついでに楽しんじゃいましょう!
エネルギー
フィレンツェのシンボルと言えばサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。
ゴシック建築の美しい教会で1日中見ていても飽きる事は有りません。
教会の周りはいつも多くの観光客で賑わっています。
この教会も素晴らしいのですが、せっかくイタリアに行ったのなら教会巡りをしてみてはいかがでしょうか。
普段は信仰心の無い人でもきっと心が洗われる筈です。
大聖堂を正面から見て真後ろの方向に10分ほど歩くと小さな教会が有ります。
名前は伏せておくので探して見てください。
観光客が来ない小さな教会で地元の人達がお祈りやミサに訪れる場所です。
教会に入ってすぐ右側に彫刻が施された大きな大理石が据えられています。
まだ掘りかけの彫刻。
しゃがんでいる人が立ち上がろうとしている様に見えますが、掘られているのは上半分のみ。
後頭部から背中・腰の辺りまで掘られていますが下半分は原型の大理石のまま。
この教会に初めて足を踏み入れた時、視界の右側に強烈なエネルギーを感じて吸い寄せられる様にこの彫刻に近付いて行ったのを覚えています。
(もう少し見ていたらこの人立ち上がってくる・・)
そんなパワーを感じたのです。
しばらく彫刻に見入っていた私は小さなプレートに気が付きました。
そのプレートには作者の名前が刻まれています。
ミケランジェロ ( ゚Д゚)
そうです。
かの有名なダヴィデ像の作者・ミケランジェロ。
アカデミア美術館でダヴィデ像を見た時も同じ衝撃を受けましたがこの作品も素晴らしい。
ミケランジェロはこんな言葉を残しています。
「私は大理石の中に天使を見た。天使を自由にするために彫ったのだ」
ダヴィデ像とこの教会の掘りかけの彫刻を見るとこの言葉に納得です。
ただ形を作るのでは無く、内に秘めた物を開放するエネルギー。
見せかけの芸術では無いからこそ多くの人の心を打つのでしょう。
余談ですが・・
甲本ヒロトさんが「歌とは?」の質問に対して即答で
「ウ〇コみたいなもんかな。作るというより出す感じ」
と答えています。
甲本さんらしい飾らない表現ですが、見せかけでないからこそ人の心に響くという点では同じ。
私の中では
ミケランジェロ = 甲本ヒロトさん
お二人とも尊敬するアーティストです(*'ω'*)